愛するものがありません、見つけたい

誰にも選ばれたことがありません

初めてつきあった人

マッチングアプリで知り合った人と、初めてつきあった。

もう別れてしまったけれど。

 

切り出したのは私の方から。いろんな場面で、考え方が合わなかった。

それだけなら我慢ができたし、そう言うものだと割り切れた。

でも、許せない考え方が一つあると、もうほころんでしまった。

 

優しい人だった。

いろんな私の表情を受け止めてくれた。

 

だからこそ、とても悩んだ。

でも多分、最初からそんなに好きじゃなかった。私のわがままで、振り回してしまった。

 

泣かれた。別れの席で押し殺すように泣かれてしまった。

傷つけてしまった、彼の中で私はどんな女で終わったのだろう。

 

もう戻れない、さようなら。

私はもう恋愛しないほうが幸せなんだと思う。だれかを不幸にしたくない。

さようなら

手が痺れてる。

お酒を飲みすぎたみたい。

 

久しぶりに、本当に久しぶりに会ったあなたは、ヒゲが生えていたね。

一年ぶりに会ったあなたは、今までどおり意地悪でひどい人だったね。

 

BARにいたときは、心地良い意地悪な感じが、好きだった。

なんでそんなに好きでいてくれるの?

 

なんども好きと言った。

なんども、ずっとこれまでも今もずっと好きなままなことを伝えた。

 

あなたは、彼女の化粧の匂いが好きみたい。

 

ニーズがないというけれど、あなたたちはとてもお似合いだよ。

 

赤羽で、私をおいて帰ったのは、治安が良いからだった。

池袋は、前も今日も、改札を通るまでいてくれたみたい。

振り返ったらいなかったけれど。

 

ホテルに入って、エレベーターで二人で笑った。

 

部屋に入って、パピコを食べた。

 

キスをした。

 

お風呂に入ろって言われて、お風呂に入った。

 

初めて見た、あなたの裸。

 

顔をずっと引き寄せて、目に焼き付けたかった。

 

私の中に入れてくれなかった。

 

口や、手や、そういうのはひどく扱ってくれたけれど、

 

時折触ってくれる私の髪や、感じてくれるあなたの表情や息遣いがたまらなく気持ちよかった。

 

でも、とても遠かった。

 

こんなに近くに来てくれたのに、一番離れてしまった。

 

帰り際、手を繋いでくれた。

 

指輪をはめたら、カバンの中に返された。

 

いらないよ、ごめんね、さようなら

もうやめたい

京都旅行に行った。とても仲のいい男友達といった。

とても楽しかった。途中まではとても楽しかった。

お酒に酔って、いつの間にかやってしまっていた。本当に断片的にしか覚えていなくて、避妊をしたのかしていないのかわからなくて、痛みさえ感じていた。

 

もう自分で自分を傷つけることをやめたい。その一瞬はだれかに求められていると思っても、いなくなってしまえばひとりぼっちの孤独に苛まれるだけだ。

私は常に、ひとりぼっちであることを気づかないといけない。

 

自分のためにもならない、むしろ体と心を傷つけて、死に急いでいる。

誰かを好きになることも、きっと迷惑をかけてまた傷つけてしまうからもうやめよう。

 

もう会いたい

もう会いたい、会いたくてたまらない。

一人でお酒を飲んでも、一人でタバコを吸っても、ずっと考えてる。

 

先生のことだけじゃなくて、前に好きだった人のことさえ考えてしまう。

どうにかこの寂しさを埋めて欲しいと、選択肢をいくつもいくつも広げて、その中でいつも選んではいけない紐を引いてしまう。

 

早く直したいのに、心は直そうとしていない。このままでいいんだと、私は幸せにならないほうがいいんだと、私の奥底のだれかがきっとそう呟いている。

もう会わない、会いたい

前回会ってから、またすぐに会えることになった。

「今からこれる?」じゃなくて、「この日に会おう」って、約束の仕方が変わって嬉しかった。本当は映画を見て、ご飯を食べておうちに行こうってなってたけど、私の体調が芳しくなくて直でおうちに行くことになった。

ギャラリーが始まってからは夜遅くにならないと連絡がつかなくて、その日も遅くになるんだろうなあと思ってたけど、ちゃんと私との約束を優先して帰ってくれていた。

バスから見た月はこの夏の終わりで一番近くて丸くて、綺麗だった。

 

始めて一人でちゃんと行く先生の家は、最初迷ってしまったけど、道のりは簡単だった。暗い道の先に、明るい先生の家の光が見えて、ひょいって頭を覗かせた先生の顔に心が弾んだ。こんばんはって言って中に入ると、ご飯ができていた。

私の大好きな和食。久しぶりのお魚だった。秋を感じるサンマと、浅漬け、トマト、それから青菜と豆腐のお味噌汁。しばらくしてから雑穀米のご飯も炊けて、机を囲んだ。

魚が綺麗に食べられて嬉しかった。素朴な味が美味しくて、私が来るまでに、私のために用意してくれたんだと思うと幸せすぎて戸惑ってしまった。

 

それからハイボールを飲みながら、おしゃべりをした。私の体調についてちゃんと知ろうとしてくれて、嬉しかった。そういえば、って言って近所の人からもらったと言う桃を切り分けてくれて美味しかった。

 

それからシャワーを浴びて、二階へ上がった。

いつも通りPCでニュースなんかを見ながら、始まった。もう慣れてしまっている自分に驚いた。いつも以上に敏感になっていて、痛みさえ感じていた。

心地よさに酔いしれながら、「私はセフレ何号?」って聞いたら「セフレいないよ、彼女もいない」「彼女もいないの?」「彼女はもう作らない」って。

それから悲しくなって、私がどれだけあなたに会いに行っても、幸せな未来はないんだと思って苦しくなった。

無情にも夢を見るほど眠れて、私の体調を気遣ってずっと抱きしめてくれる程度で、無理にしようとはしなかった。

 

お昼、ホットサンドを作ってくて美味しくて、「もう会わない」って言った。先生は特に本気にせずに「もう会わないのかあ」なんて。

 

バスまで送ってくれて、「あの本、あげるよ」って言ったら「え、ちゃんと返すよ、また会うでしょ?」なんて。「会わないよ」会いたいけど。

 

結局おうちについて、連絡してしまった。だってもう会いたくなってしまった。

身体中からあなたの匂いがする。服じゃなくて、肌から感じる。シャワーを浴びると消えてしまいそう、香水なんてつけられない。

 

きっと生理が終わったらまた、会いに行くんだろうなあ。

しあわせと虚無感

先生から突然メッセージが来た。

私はその日、バターチキンカレーを食べて寝てぐうたらして、夜に起きてコンビニでカップラーメンを食べたところでデブコンディションは最悪だった。

「今日はもうお酒を飲んじゃったので、制作はしません。よかったらうちで飲みませんか」って。行くに決まってるじゃん‥。

正直、夏の間あんまりいい返事をもらえてなかったから、私から遠ざかろうと思っていたところだったからとても悩んだ。すぐに友達に相談して、結局すぐに支度していくことにした。タクシーだと20分くらいの近い場所。

 

コンビニで待ち合わせた先生は、お風呂上がりなのかさっぱりした風貌で、変わらなかった。朝ごはん買って行こうって言われて、「ああやっぱりお泊まりだな」っておもった。色々買って、支払ってくれた。

それから手を繋いで先生のお家へ帰って、前にきたときは途中までしかできていなかった絵が完成されているのを見ながら、ハイボールを飲んだ。1杯や2杯飲んだところで、(それとなく私が夏に憂鬱になる話などをしながら)、「シャワーにする?お風呂貯める?」って言われて「シャワー」って言った。「着替えはこれきてね、パンツとブラはないから」なんて冗談交じりに言われて、確かに先生はいますごく洗濯物を洗っているからパンツもないのか、と思った。シャワーを借りている間、キッチンから包丁の音が聞こえて、何か料理している音と一緒にブイヨンのようないい匂いが鼻をかすめた。

丁寧に体を洗って、先生の着替えに袖を通して、台所で料理をする先生に声をかける。「朝のスープ作ってるんだ」って。

歯ブラシ忘れた私に電動歯ブラシの替えをくれて、「油性マジックで名前書いて置いて」って言われて、私のものが先生の家に置いて置いていいなんて事実に嬉しさを噛み締めた。

それからすぐiPhoneとタバコを持って2階へ上がった。

 

ベッドに上がって、脇のスツールに先生はPCを置いてアマゾンプライムを開く。映画を見ようとしているらしかった。何を見ようか、でも先生は30分もすると寝てしまうらしい。悩んだ挙句「歩いても歩いても」を診始めた。すぐに先生は私の太ももに頭を乗せて寝始めちゃったけど、結局私も横になってぎゅっと抱きしめてくれた。

先生の体の形を全身で感じながら、先生が馬乗りになった。セックスをする合図だった。

スウェットを脱がされ、Tシャツを脱がされ、「今日は可愛いブラなんだよ」って言ったら「アタリブラじゃん」って、すぐに外されたけど。パンツも脱いで一糸纏わない姿になった私に、先生が入れた。初めて入れた時のような、割くような痛みを少し感じながら、私はイチジクの身を思い出していた。

「そういえば前、フェラしてくれるって約束じゃなかった?」って意地悪にいう先生を端目に、挑戦してみたけどちょっと苦手だった。その代わり、先生が私の下を舐め始めて、恥じらいと嫌悪感の狭間で揺れていた。胸、お腹、太もも、いろんなところにキスをされて、熱くなるのを感じた。

 

それから先生がいって、一息ついて横になった私に先生は「今日は寝てね、前ちゃんと寝れてなかったでしょ」って。先生にぎゅっと抱きしめられながら眠る。

 

何度かまどろみの中でお尻に先生を感じながら、先生もその気になったら何度か行為をして、「いかせてあげたいんだよなあ」なんて優しさを噛み締めながら朝を迎えた。

眠たい声で「朝一緒におふろはいろうね、それでスープとサラダと、目玉焼き作って朝ごはん食べよう」なんて先生が言うもんだから、なんて豊かな生活をいくつもいくつもくれるんだろうと不思議で怖くなった。

先生に、「私、セフレでもいいですよ」っていった。そしたら先生は「セフレじゃないよ」って。でもつきあおうとか、そう言うことは濁していってくれなかった。たまたま出会って、たまたまこう言う関係になった。そんなことを言っていた気がする。

 

お風呂に入る時、先生が先に入ってて「本当に私一緒に入っていいのかな」ってわかんなくなってウロウロしてたら「おいで」って言われて嬉しかった。

体を洗ってくれて、ギュってしてくれて、湯船に二人で浸かって、気持ち良い時間だった。幸せってこういうことを言うんだなあって。

 

お風呂から上がって、二階に上がって少し濡れた髪の毛をドライヤーで私が乾かしていると、先生が腰に抱きついてきた。可愛らしくて、とても年上には見えなかった。

それからまた横になって、お尻を褒められて、また二人でして、いつの間にか眠って夕方になっていた。流石に帰ろうと支度を始めて、時刻表を教えてもらった。

先生が「何か食べて帰る?」って誘ってくれて、嬉しかった。セックスだけじゃないんだって。近くの定食屋さんにいって、天ぷらを食べて、胃が破裂しそうになりながらバスを待った。前は「それじゃあね、本貸してくれてありがとう」みたいな感じだったのに、今回は「またね、気をつけて」って。また、会えるんだって思った。

 

9月の終わり、就活を頑張って、また会えたらいいなあ。

君となら

久しぶりに会える友人と東京観光をして来た。

浅草で待ち合わせて雷門の前で久しぶりに見た君は変わっていなくて安心した。

 

久しぶりに会って「髪明るくなりましたね」ってこれまでの私と違うところを言ってくれて、変化に気づいてくれたんだって嬉しくなった。それから浅草寺や周辺をぶらぶらして、近くに見つけた冷たいおうどんのお店へ行って一休み。

食べるの遅いから「私食べるの遅いからごめんね」って行ったら「大丈夫ですよ」って、嬉しかった。キラキラした紫色のナスを一つおすそ分けしたよ。

それからまたぶらぶらして、水上バスへ。

飲み物を買って来てくれて、のんびりしたよ。

 

それから浜離宮へ降りて、自然の中でお散歩。歩く早さが一緒で嬉しかった。途中携帯を見てて何見てるんだろうと思ったら、浜離宮の歴史を調べてくれてて教えてくれた。優しかった。それからお茶屋さんへ行って、のんびり。

 

それから急遽東京タワーへ向かって、私は恐怖の中展望台へ登ったよ。スカイウォークでひたすらはしゃいで、ちょっかい掛け合ったりして、「あれ、これ付き合ってないんだよなあ」みたいに。途中であった小さな男の子がスカイウォークに乗れて、すごいねえなんて行ったりして。

帰りは非常階段から降りて見た。案外怖くなかったけど、誰もいなくて二人きりの世界みたいだった。何度か手が触れて、ちょっとドキドキした。

 

そのまま有楽町へ向かって焼き鳥屋さんへ。お酒を飲みながらべろんべろんに酔いながらおしゃべり。「〇〇さんって全然携帯見ないですよね」「だって一緒にいるなら話していたいし」「今度京都に旅行とか行って見ませんか、だって歴史とか好きでしょう、一緒に回ったら楽しそう」なんて言うもんだから、期待してしまっている。

フランスのお土産をくれて、とても嬉しかった。次はイタリアへ行くらしい。イタリアのお土産はなんだろう。無事に帰って来てくれたらそれでいいよ。

 

帰り際、帰りたくなくてずっと駄々こねてた。君のかぶっていた帽子をかぶって見たりして「似合いますよ」なんて。電車のホームで見送って、なんだか泣きたくなって、新宿のレズバーにいった。

知らない人たちとキスしたりしながら、タクシーで泣きながら帰った。どうしてこんなに涙が出るのかわからなかった。