愛するものがありません、見つけたい

誰にも選ばれたことがありません

しあわせと虚無感

先生から突然メッセージが来た。

私はその日、バターチキンカレーを食べて寝てぐうたらして、夜に起きてコンビニでカップラーメンを食べたところでデブコンディションは最悪だった。

「今日はもうお酒を飲んじゃったので、制作はしません。よかったらうちで飲みませんか」って。行くに決まってるじゃん‥。

正直、夏の間あんまりいい返事をもらえてなかったから、私から遠ざかろうと思っていたところだったからとても悩んだ。すぐに友達に相談して、結局すぐに支度していくことにした。タクシーだと20分くらいの近い場所。

 

コンビニで待ち合わせた先生は、お風呂上がりなのかさっぱりした風貌で、変わらなかった。朝ごはん買って行こうって言われて、「ああやっぱりお泊まりだな」っておもった。色々買って、支払ってくれた。

それから手を繋いで先生のお家へ帰って、前にきたときは途中までしかできていなかった絵が完成されているのを見ながら、ハイボールを飲んだ。1杯や2杯飲んだところで、(それとなく私が夏に憂鬱になる話などをしながら)、「シャワーにする?お風呂貯める?」って言われて「シャワー」って言った。「着替えはこれきてね、パンツとブラはないから」なんて冗談交じりに言われて、確かに先生はいますごく洗濯物を洗っているからパンツもないのか、と思った。シャワーを借りている間、キッチンから包丁の音が聞こえて、何か料理している音と一緒にブイヨンのようないい匂いが鼻をかすめた。

丁寧に体を洗って、先生の着替えに袖を通して、台所で料理をする先生に声をかける。「朝のスープ作ってるんだ」って。

歯ブラシ忘れた私に電動歯ブラシの替えをくれて、「油性マジックで名前書いて置いて」って言われて、私のものが先生の家に置いて置いていいなんて事実に嬉しさを噛み締めた。

それからすぐiPhoneとタバコを持って2階へ上がった。

 

ベッドに上がって、脇のスツールに先生はPCを置いてアマゾンプライムを開く。映画を見ようとしているらしかった。何を見ようか、でも先生は30分もすると寝てしまうらしい。悩んだ挙句「歩いても歩いても」を診始めた。すぐに先生は私の太ももに頭を乗せて寝始めちゃったけど、結局私も横になってぎゅっと抱きしめてくれた。

先生の体の形を全身で感じながら、先生が馬乗りになった。セックスをする合図だった。

スウェットを脱がされ、Tシャツを脱がされ、「今日は可愛いブラなんだよ」って言ったら「アタリブラじゃん」って、すぐに外されたけど。パンツも脱いで一糸纏わない姿になった私に、先生が入れた。初めて入れた時のような、割くような痛みを少し感じながら、私はイチジクの身を思い出していた。

「そういえば前、フェラしてくれるって約束じゃなかった?」って意地悪にいう先生を端目に、挑戦してみたけどちょっと苦手だった。その代わり、先生が私の下を舐め始めて、恥じらいと嫌悪感の狭間で揺れていた。胸、お腹、太もも、いろんなところにキスをされて、熱くなるのを感じた。

 

それから先生がいって、一息ついて横になった私に先生は「今日は寝てね、前ちゃんと寝れてなかったでしょ」って。先生にぎゅっと抱きしめられながら眠る。

 

何度かまどろみの中でお尻に先生を感じながら、先生もその気になったら何度か行為をして、「いかせてあげたいんだよなあ」なんて優しさを噛み締めながら朝を迎えた。

眠たい声で「朝一緒におふろはいろうね、それでスープとサラダと、目玉焼き作って朝ごはん食べよう」なんて先生が言うもんだから、なんて豊かな生活をいくつもいくつもくれるんだろうと不思議で怖くなった。

先生に、「私、セフレでもいいですよ」っていった。そしたら先生は「セフレじゃないよ」って。でもつきあおうとか、そう言うことは濁していってくれなかった。たまたま出会って、たまたまこう言う関係になった。そんなことを言っていた気がする。

 

お風呂に入る時、先生が先に入ってて「本当に私一緒に入っていいのかな」ってわかんなくなってウロウロしてたら「おいで」って言われて嬉しかった。

体を洗ってくれて、ギュってしてくれて、湯船に二人で浸かって、気持ち良い時間だった。幸せってこういうことを言うんだなあって。

 

お風呂から上がって、二階に上がって少し濡れた髪の毛をドライヤーで私が乾かしていると、先生が腰に抱きついてきた。可愛らしくて、とても年上には見えなかった。

それからまた横になって、お尻を褒められて、また二人でして、いつの間にか眠って夕方になっていた。流石に帰ろうと支度を始めて、時刻表を教えてもらった。

先生が「何か食べて帰る?」って誘ってくれて、嬉しかった。セックスだけじゃないんだって。近くの定食屋さんにいって、天ぷらを食べて、胃が破裂しそうになりながらバスを待った。前は「それじゃあね、本貸してくれてありがとう」みたいな感じだったのに、今回は「またね、気をつけて」って。また、会えるんだって思った。

 

9月の終わり、就活を頑張って、また会えたらいいなあ。